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強引なトランプ政権に司法の抵抗: 米国の現状

米国のトランプ政権の繰り出す強引な政策に、司法が注文をつける場面が増えています。

BBCニュースが次のように伝えています。
 Top US Supreme Court justice rebukes Trump's call to impeach judge

rebukeは「強く非難する」、impeachは「弾劾する」です。

 

トランプ政権による移民の強制送還について、地方裁判所の判事がを差し止め命令を出したため、トランプ大統領は彼を「弾劾すべきだ」と主張しました。

しかしアメリカの連邦最高裁の長官に当たるロバーツ主席判事が、弾劾するのは間違っているとの声明を出した、というニュースです。

 

また、同じ日に起こったのは、
 Federal judge halts further shuttering of USAID

トランプ政権が、イーロン・マスク氏が率いるDOGE(政府効率化省)でUSAID(アメリカ国際開発庁)の解体を強行しています。しかしこれは憲法違反の可能性があるとして、連邦地方裁判所がさらなる措置を停止する命令を出した(halts further shuttering)、というニュースです。

 

これに対してもトランプ大統領はじめ政権高官は不満を表明しています。 "rogue judges"(ならず者の判事)などという表現を使うなど、三権分立の下での司法の判断を尊重しない姿勢は、「弾劾しろ」という1つめのニュースにも現れています。

 

アメリカの最高裁判事は、第一次トランプ政権で任命された3名をはじめ、保守派が優勢と言われています。

これが妊娠中絶や銃規制といった案件での判断に影響を与えたのは事実です。しかしトランプ大統領の政策に対する相次ぐ「待った」は、司法の独立を示すものと言えるでしょう。

 

トランプ政権は矢継ぎ早に「大統領令」に署名することによって、こうした司法の判断の上に立とうとしているフシが伺えます。

これは日本でも安倍政権時代に「閣議決定」を乱発し、国会を事実上素通りすることで立法府に優越するかのような状況があったことを思い起こさせます。

 

民主主義を正しく理解しない指導者を持つ今のアメリカは、相当危険な状態にあります。安倍政権下の日本で見られた様々な「ゆがみ」の再現がないように、アメリカ司法の毅然たる態度に期待したいものです。