今回は、あきれたニュースでも英語の勉強にはなる、という話です。
トランプ大統領ごひいきの、共和党寄り保守メディアがFOXニュース。
ジェシー・ウォッターズというニュースキャスターが、「グリーンランドをアメリカが保有したい」というトランプ大統領の発言を番組で後押ししました。
そこで何を言ったかと言うと、
We don't need friends. If we have to burn down a few bridges with Denmark to take Greenland. We’re big boys. We dropped a-bombs on Japan and now they are our ally… America is not handcuffed by history.
(我々に友人などいらない。グリーンランドを手に入れるためにデンマークとの関係が悪化しようと、それが何だというのか。我々は最強だ。米国は日本に原爆を落としたが、日本は現在同盟国だ。アメリカは歴史に縛られない)
他国の領土を欲しがる大統領に輪をかけて、日本への原爆投下を引き合いに出すウォッター氏には呆れたものです。実は彼は、1月にアメリカで起きた大規模な山火事の時も「原子爆弾投下後の広島のようだ」と言った「前科」があります。
このように、とんでもないニュースですが、この発言の中で注目した表現があります。
まず、we have to burn down a few bridges with Denmark
これは別にデンマークを爆撃などして橋を焼くわけではなく、burn your bridges(修復不可能になるようなことをする)という慣用表現です。
このため、しばしば「背水の陣を敷く」に当たるとも説明されますが、ここでは、一時的に断交してしまうほどの敵対関係になるという意味でしょう(最初のWe don't need friends.と呼応しますね)。
もう1つは、We’re big boys.
big boysは通常複数形で、突出した力や地位を持った存在のこと。big gun(s)とも言います。
ウォッターズ氏、まったく思い上がりも甚だしいです。
こんなニュースですが、日々少しでも英語に触れるようにしていると、腹が立つこともあっても何か得るものはあるようですね、とポジティブに捉えることにします。