「英語を話せるようになりたい」という人がやればぜったい効果があるのに、どうして実行しないのだろう? もったいない。と思うことがあります。
それは、徹底して口を動かすことです。
「やっています」という人は多いと思いますが、「ラジオ英語講座100年」の記事の中で紹介した大西泰斗先生の「口の中に記憶させる」までできているでしょうか?
これで思い出したのが、もう20年も前にその方法を独自に考えて本にした、川本佐奈恵さんです。(かなり昔ですが、縁あって面識のある方です)
「NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法」という本が、現在は祥伝社の文庫本として出ていますが(最初は明日香出版社から出てベストセラーになりました)、彼女がその著者です。
英語ほぼゼロ状態の主婦だった32歳の時、NHKのラジオ講座だけを使って勉強を始め、今では英会話スクールを運営し、NPOに参加して姉妹都市交流で通訳・翻訳、さらに早稲田大学のエクステンションスクールで講座を持つほどです。
本の中で書いているとおり、彼女がしたのは
・ラジオ講座を欠かさず聴く
・講座のスキットを時間のある限り口に出す
・ディクテーションをする
ほぼこれだけですが、彼女が特に徹底したのが、2番めの「口に出す」ことです。
電車の中、ちょっとした空き時間などに、ブツブツ口に出し続けた様子が本に書かれていますが、読んだ時に、間違いなく効果があると思いました。
自分が受験時代に「基本英文700選」を使って行き帰りの電車の中で毎日していたことと同じだったからです。
私が「700選」を使った時は、和文を見たら瞬時に英文が途切れずに話せるようになるだけでなく、他の教材などの英文を読んでいる時に、そこに出ている単語に反応して、全然関係のない「700選」の英文が口に出るまでになりました。
川本さんも、ご自分の練習時代は少なくともその程度まで続けたと思います。
ちなみに、話せるようになった彼女は、
「どのくらい口から出したらいいのですか?」
という質問に、
「ひとつのセンテンスがすんなりと言えるようになるまで」
と答えています。
「すんなりと」というのは、スキットを録音しておいて、同じスピード、同じリズム、イントネーション、間の取り方、それら全てがそっくり同じになるまで、ということです。
「何回やればいいですか?」
という問いは忘れてください。
「ひとつのセンテンスがすんなりと言えるようになるまで」
です。
もうひとつ。過去に練習した内容をチェックする必要はありません。
毎日、その日の内容に集中することをルーティーンにして、できる限り繰り返し口に出すことを、ぜひ続けてみてください。
これを毎日繰り返したら、1年後、2年後には絶対に違う自分になっているでしょう。
久しぶりに彼女のブログを見ましたが、今も「ラジオ英会話」のディクテーションをしていました。(*^_^*)
さすがです。
ご紹介した本も、よろしければご参考に。
600円ちょっとの投資が一生の財産になるかもしれません。