私の英語学習は、中学入学から始まりました。まだ小学校で英語の授業などなかった時代の普通のスタートです。
同時に4月からNHKラジオの「基礎英語」を聴き始めました。おそらく誰かに勧められたのだと思いますが、詳しいことは覚えていません。
講師は三井平六先生という方で、ネイティブの女性アシスタントと2人での放送でしたが、この講座は毎朝学校に行く前に週6日、1年間続けました。
ただそれは、予習も復習もしない(学校の授業でも同じだった)、続けただけという1年間でした。それでもとにかく続いたということで、翌年4月から「続基礎英語」に進みました。講師は安田一郎先生。パートナーはラッシュさんという男性でした。
しかしこれは挫折しました。「基礎英語」とは毎日ゆっくり進んでいく感じでしたが、「続基礎英語」はそれとは比べものにならないペースでパターン練習を繰り返すメソッドで、3ヶ月位でついて行けなくなって脱落してしまいました。
ここで私のNHK英語講座での勉強はいったん中断します。中学1年の時に松本亨先生の「英語会話」もちょっと聴いただけで、とても自分の手に負えない別世界と思ったものです。しかし松本亨先生がラジオ講座を辞められた後、私は多くの著書に出会って大きな影響を受けることになります。
なぜ挫折したか?おそらくそれは、英語を学ぶ動機が特になかったからだと思います。英語の先にあるものを見つけていれば、自分の英語はもう少し早く進歩していたのだろうと、50年以上経って思っています。
・・・と書きながら「100歳になっちゃいます ラジオ英語講座 名物講師たちのあゆみ」(3/20日放送)を聴き逃がしで聴いていたら、マーシャ・クラッカワーさんが出演していました。彼女が「ラジオ英会話」の講師になった時はちょっと驚きました。ずっと前にテレビ「英会話初級」で田崎清忠先生のアシスタントをしていたのを見ていたからです。
「あのマーシャさんが講師?すごい!」という感じでしたが、その前に「続基礎英語」のアシスタントだったのは初めて知りました。
そして彼女が思い出として話したのが、
「英語を学ぶとは、How to say it ではなく What to say が大事」
と、安田一郎先生が常々語っていたモットーでした。
マーシャさんと安田一郎先生?というのもさることながら、「英語を使って何がしたいの?」という話のシンクロに、ラジオ100年の奇跡のようなものを感じてしまいました。