毎日英語・英会話

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    軽いタッチの英会話 ---let、just---

    NHK「ラジオ英会話」 LESSON51は「使役の let」でした。

    ポイントは、letは「とても軽いタッチ」の「許す」
    大きな力がはたらく make との違いは使役動詞の最初に習いますが、今日なるほどな、と思ったのは、

     Let me know if you need help.
     (手助けが必要なら教えてね。)

    の Let me knowのニュアンスです。
    これは Tell me とも言えるところですが、

     ■ Let me know は、「知っている仲間にはいることを許してください」という印象、ということ。

    let は「なごみ系」なのかな?とも思いますが、軽いタッチといえば、今日のレッスンにも出てきたのが、Let's 〜 と Shall we 〜? の違いもそうですね。
    (Shall we〜? は、大西先生によれば、「温かい、相手の手を優しく取るような質感」があるのだそうです。)


    さて、私はこれまで、英語のインプット元が仕事を通じてであったり、ニュースの英語が多かったりという経歴があるせいか、自分の英語が堅いという自覚があります。

    1つには、「書くように話していれば変な英語は使わなくて済む」と思っていることがあり、今「ラジオ英会話」を聴いているのも、「話す」ことを意識した英語のトレーニングというのが1つの理由です。


    そんな私が今日ピンときたダイアログの1つの文が、

     You can just use the SuperEats app on your phone.
     (ただスマホでスーパーイーツのアプリを使えばいいの。)

    です。
    注目したのは、just の使い方。

    「ただ〜すればいい」というと、All you need is 〜とか、All you have to do is 〜などが浮かんでしまう私には、この just の軽さがとても気に入りました。

    この just は only(〜だけ、〜に過ぎない)の意味ですが、軽いだけあって口語での使い方のようです。

    LDCE(Longman Dictionary of Contemporary English)でも

    「justはくだけた(informal)表現なので、書く英語では simply が好んで使われる」

    とありました。
     It’s simply a question of priorities.(それは優先順位のk問題だ。)
    という具合です。


    ついでにもう1つ、justの使い方について、ロングマンでは

    1.文の主となる動詞の前に置く
    2.最初の助動詞の後に置く

    と書いてありました。先ほどの
     You can just use the SuperEats app on your phone.
    もまさに2のパターンですね。

    ご参考までに。

    「いないことにされる私たち」(青木美希)を読んで【2/2】

    前半【1/2】はこちらです。)


    「『お父さんがいなくてさびしい』って言ってました」

    長男が自殺した後、父親は本人が生前友人にこう言っていたことを知りました。
    自分譲りで絵が好きで中学の美術部に入り、部活でもクラスでも人気者で、よく自宅に友人を連れてきてゲームを楽しんでいる・・・それが生前見ていた長男の姿でした。


    単身で南相馬に戻る考えをを初めて話した時に、他の3人の子供と口を揃えて反対した以外は、ふだんの生活でも不満をほとんど口にしたことがなかった。

    実は、ずっと1人で子供たちを身の回りの世話から支えてきた自分に、よけいな負担をかけたくなくて黙っていたのではないか。自分が家族から離れずに一緒にいたら長男は死なずにすんだのではないか・・・

    自責の念にかられる父親の苦難の日々が始まります。
    直後にうつ病と診断され、自殺を図って警察に保護されることも。
    そして約8ヶ月後に離婚。妻も子供の自殺のショックでPTSDに苦しむようになっていました。


    南相馬の実母の家で一人暮らしを始めたものの、また自殺未遂。
    要介護2で北海道のホームに入居していた高齢の実母が見かねて戻らざるを得なくなり、二人で介護し合うような生活になりました。


    おそらく、著者の青木さんが「中学生の避難先での自殺」という事件にたまたま関心を抱き、取材を通じた父親への支援(医療施設の紹介、彼について書いた新聞連載への読者の反響を伝えるなど)をしていなかったら、その後も何度かあった自殺未遂が未遂でなくなった可能性は高かっただろうと、この本を読んでいたら誰でも思うでしょう。


    幸い(出版の時点では)、父親の体調は最悪期を脱し、少なくとも「息子の元に行きたい」とは言わなくなっていましたが、通院は続いていて、半年か1年に1度は入院する生活とのことでした。

    ただし、その治療を支えてきた、避難指示地域の人々への医療費免除を政府が打ち切るという方針が出されたことを知った時は、激しく動揺したそうです。「自力で生活再建している人がいる一方で、一部の人だけへの支援は公平性を欠く」というのが政府の言う理由です。

    「バランスを見て、人の命が失われるという状況にならないようにお願いします」

    これは、医療費免除継続を復興庁に要望した時の、被災者支援団体の方の発言ですが、そのとおりだと思います。


    7万人の避難者のうち4万人しかカウントされない問題と同じように、政府には被災者全体の実態を調査するなど、自ら知ろうとする姿勢が見えません。

    公平性の名の下に支援を次々と打ち切ることで、避難者は経済的、精神的、肉体的に追い詰められていく一方で、制度が縮小されることで政府の(とくに現場の担当者の)問題意識は年を追うごとに希薄になってしまいます。


    今、コロナ禍でのオリンピックの開催の是非が問われていますが、「復興」という明るい話題と結びつける一面もかなり目立ちます。一方、避難者のこうした実態が報じられることはこれからさらに少なくなりそうです。

    また、これはこの父親だけに起こっていることではなく、同じような苦しみを味わっている人がたくさんいることが数字の上でも示されていて、問題の根深さを知ることができました。


    この本の本当の問題意識は、当然原発再稼働の議論と関わります。ここではそれについては何も書きませんでしたが、こうしたことを置き去りにしたまま進めることがあってはならないと、強く思いました。


    2回にわたる長文で、ネタバレ?と感じられたかもしれませんが、とんでもない。考えさせられることが次々と出てきます。
    特に後半の、父親が心身ともに苦しんで極限まで追い詰められる様子は息もつけないほどで、一気に読み終わりました。


    ご興味があれば、ぜひ読んでみることをおすすめします。

     

     

    「いないことにされる私たち」(青木美希)を読んで【1/2】

    福島第一原発事故によって避難生活を余儀なくされ、10年が過ぎた今でも経済的、精神的な苦難の生活を過ごしている方たちの現状を追った、

      いないことにされる私たち 福島第一原発事故10年目の「言ってはいけない真実」

    を読みました。

    ラジオ番組「大竹まことゴールデンワイド」で著者の青木美希さんのお話を聞いて、すぐ購入しました。特に本書の中心となる、新潟県の避難先で自殺した男子中学生とその父親に関する部分は、後半3分の2を費やしていますが読むのを止めることができず、一気に読み終えました。


    (土日は「ラジオ英会話」の放送がないので、これからはこんな話題も交えて行きます。ご興味があれば読んでくださいね。) (^_^;)


    テレビなどでは、東日本大震災、いわゆる「311」でもたらされたこの恐ろしい事故からの「復興」の様子に比べ、その一方で未だに地元に戻れない避難者の生活が伝えられることは多くありません。

    その数7万人。避難者が生活する各市町村の報告を集計した人数です。
    ところが政府(復興庁)が発表する避難者数は「4万人」。
    実に4割もの方が「避難者」から消されている事実にも驚きます。

    しかし、それに気づいた避難者本人からの指摘や質問があっても、政府が実態把握に真剣に乗り出さず、多くの人が統計から「消された」状態であることはさらに驚きでした。


    そして、中学生の自殺です。

    この事件について、新潟県長岡市教育委員会が「いじめやトラブルはなかった」とコメントしたことに、著者の青木さんが疑問を抱いたところから取材が始まりました。

    それは、その2ヶ月半前に、避難先での住宅提供が打ち切られていたからです。経済的な問題との関わりはなかったのか、という疑問でした。

    避難先では非正規の仕事にしかつけず収入が下がったため、自費では家賃が払えず、経済的だけでなく精神的なダメージがのしかかった人が続出していました。


    この中学生の家庭は、看護師の母親は地元に残って病院で仕事を続け、父親が子供4人と長岡に避難していました。自殺した長男と、長女が当時小学生、そして保育園に通う次女、次男を抱え、父親は事故の賠償金を取り崩して子供の世話に専念する生活でした。


    約3年後、母親が長岡市の病院で働くことを決め、6人そろった生活が始まりましたが、震災の年の年末に返り咲いていた自民党政権は、福島への帰還を促すために避難者への住宅提供の打ち切りを決めました。


    この時長女は高校1年生。次女、次男も小学生になっていました。月額9万円の家賃を払う生活は続けられないと判断した父親は、1人で南相馬市に戻り、職につく決断をしました。


    南相馬放射線量が、とても子供を戻せる状況ではなかったことに加え、「母子避難」の方が補助の上乗せがあること、一人暮らしの実母の家に住めば家賃が不要、などが理由でした。


    長男が自室で命を断ったのは、父親が南相馬に戻った3日後、初出勤の朝でした。

     

    (長くなるので、明日に続きます。)

     

     

    「朝一番で」と英文法

    NHK「ラジオ英会話」、今週も金曜日は復習回です。

     

    前半のListening Challengeはダイアログがある程度頭に残っているので、通勤電車の中で聞いても少し余裕です。(●^o^●)

    それで、個人的には後半のSay It In Englishに集中しますが、今日印象に残ったのは、「朝一番」のフレーズです。

    こんな文を英語にするとどうなるでしょうか?

     「このレポートを明日の朝一番で上司に提出しなければならない」

     

    テキストの回答例は、

     I need to hand in this report to the boss first thing tomorrow morning.


    この、first thing tomorrow morningですが、ふつう firstのような「序数」には theをつけると習いませんでしたか?

    ところが、この文ではそれがありません。
    どうしてかな?

    と、改めて思って調べたところ、first thingが「副詞句」として働いているから、というのが今のところの結論です。

     The first thing I have to remember is...
     (私が覚えなくてはならない最初のことは。。。)

    という場合の first thingは「最初のことは」という名詞句なので the が必要。
    一方、冒頭の文の

     I need to hand in this report to the boss first thing tomorrow morning.

    という場合は「最初のこととして」という副詞句(hand in --提出する--という動詞を修飾する)なので the がつかないという違いです。


    「言葉は理屈じゃないよ!」という声も聞こえてきます・・・そのとおりです。
    だから、英語も「文法通りに話す、使う」というものではないと思います。

    むしろ全く逆に、実際に使われている英語のパターンを、改めてまとめたものが「英文法」。

    だから英文法を意識してチェックする方が、バラバラに表現を覚え込もうとするより効率がいい、と思っています。


    ・・・ということで、今年の「ラジオ英会話」、というか英文法を柱とする「大西メソッド」は私のお気に入り。
    いいですよ!(笑)

    「第三の男」は、使役動詞 have

    「第三の男」という映画があります。主演はオーソン・ウェルズ
    1949年発表なので、もう70年以上前の映画ですが、映画を見たことがない方も、チターによるテーマ音楽はどこかで耳にしたことがあると思います。
       ↓
     https://www.youtube.com/watch?v=IiEBMPvedw0

     

    さて、今日のNHK「ラジオ英会話」、LESSON49は「使役構文 have」でした。

    いわゆる「使役動詞」というと、学校ではまず make と letを習ったという記憶があります。

    どちらも「目的語説明型」(=SVOC)ですが、

    makeは強制的な大きな力が働く「させる」
     You can't make him do that.(彼にそんなことをさせてはいけない。)

    letは「〜することを許す」という意味の「させる」
     I let them say what they wanted to say.(私は彼らに言いたいことを言わせておいた。)

    のような違いです。

    一方、使役のhaveはあまり意識していなかったのが、おそらく受験勉強の時に
     I had my hair cut.(髪を切ってもらった)
    のような文が結構出てくるので、「これも使役動詞だ」と改めて覚えた気がします。


    さて、この「第三の男」ならぬ「第三の使役動詞」have。
    今日の「ラジオ英会話」で、目からウロコが落ちる出色の説明がありました。

     ★have は動作を感じさせない「静かな」動詞


    haveと言えばまず「持つ」ですが、これは getのように動きを伴って「取る」のではなく「持っている」という単なる状態なのですね。

    そこで、使役動詞として使う場合にも、例えば先ほどの
     I had my hair cut.
    は、ヘアサロンの椅子に座って「はい、お願いします」という感じ。

    決して、「どんなことをしても切ってくれ!」と強要する(make)とか、「私の髪を切らせてあげる」(let)という意味ではないのが have、ということなのですね。


    同じ「させる」という使役動詞でも、
    「『静かに、当たり前のように』〜させる」という使役動詞 have
    は、とても使いみちが広いのでぜひ慣れて起きたいですね!

     

    映画史に残る傑作と言われる「第三の男」はこちら。