毎日英語・英会話

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    まず、I think と言い切り、内容はゆっくり

    NHK「ラジオ英会話」 LESSON54は、「リポート文」に入りました。

    「リポート文」というのは大西泰斗先生独自の文法用語ですが、私のブログは「大西メソッド」の説明が目的ではないので、ここでは

     「リポート文」は、I think (that)〜 のパターン

    とだけ確認しておきます。

     I think that we have spent enough time on this issue.
     (この件に関しては十分な時間を費やしたと思います。)


    ただ、動詞は think だけではありません。たとえば今日のキーセンテンス。

     I told you that yesterday's rehearsal went really well.
     (昨日のリハーサルはとてもうまく行ったと私は言った。)

    think の場合と共通するのは「動詞の内容を後ろのthat節が説明する」ということです。


    ここで英会話、つまり英語を話す時に大切なことは、講座でも言われていたように

     I think(=私は〜と思う)
     I told you(=私は〜と言った)

    と、まず言い切ってしまうこと、その後の「〜」の内容はそれからきちんと文にすればいい、ということです。この後半の部分は、それこそ何でも言いたいことを続ければいいので、

     that節のリポート文はとても自由度が高く何でも言える

    ということになります。
    だから、慣れてしまえば会話の強力な武器になるのが、リポート文だと思います。
    あとは、この呼吸に慣れるために繰り返し音読、ということでいいと思います。


    ついでに、もう1つ次のリポート文でフレーズを1つチェック。

     Sorry, I didn't realize that thie seat was already taken.
     (すみません。この席がもう取られていたとは気が付きませんでした。)

    動詞 realize(〜に気づく)もリポート文の形になる、ということに加えて、後半の takenに注目です。

    「席が取られている」は be taken. 簡単ですね。
    ここは occupied でもいいですが、ちょっと単語が大きくて固いですね。

    ふだんの会話では taken くらいのいつでも出てくる単語がお似合いです。

     

    give it one's all(全力をつくす)

    NHK「ラジオ英会話」 LESSON53は、
     tell/askなど + 目的語 + to不定詞、
    の形でした。

     My dentist told me to brush my teeth more often.
     (歯医者さんに、もっと頻繁に葉を磨くように言われた。)

    目的語説明型で「説明」の部分が to不定詞となる構文です。


    以前何度か、「目的語説明型(いわゆるSVOC)」という言い方をしました。
    一般には、tell/ask/allow などの後に目的語+to不定詞がくる形は、SVOC構文とは別に、動詞のそういうパターンとして習ったと思います。

    これらの動詞の使い方を「目的語説明型の拡張」の1つの形として説明するのは、今まで習ってきた英文法の、大西先生による再構築で、「ラジオ英会話」を興味を持って聴いている1つの理由です。


    ところで今日は、この形の例文として

     The coach asked the players to give it their all.
     (コーチは選手たちに全力を尽くすように頼んだ。)

    という文が出てきました。
    この give it one's all(全力をつくす)ですが、ロングマンの辞書には
     give your all
    という、itがない形で出ていて。
     The coach expects every player to give their all in every game.
    という、今回のテキストと似た例文がありました。

    giveは目的語を2つとる「授与型」ですが、この it には特別な意味がないので、なしでも使うようになったのかな?とも思います。


    そしてこの辞書にはもう1つ別の
     give something your best shot
    というフレーズの見出しもあります。

    これも、「頑張る、全力をつくす」という同じ意味の表現ですが、例文を見ると

     This case is going to be tough, but I promise I’ll give it my best shot.
     (この問題は困難が予想されますが、全力をつくすことを約束します。)

     Lydia didn’t get the job, but at least she gave it her best shot.
     (リディアは職には就けなかったが、少なくとも全力をつくした。)

    のように、他の文でもsomething にあたる部分は it ばかりだったので、

     give it your best shot

    として覚えてしまえばいいですね。(^o^)


    ということで、今回の私の記事は give it all(全力をつくす)の拡張になりました。(^o^)

    Consider it done. を口ぐせに(目的語説明型)

    NHK「ラジオ英会話」 LESSON52は、目的語説明型(いわゆるSVOC)をさらに深めて、
     「C(補語)の部分が過去分詞になる場合」でした。

     You should have it looked at by a doctor.
      (それを)お医者さんに診てもらうべきだよ。

    「それ」というのは今回のダイアログで、手にできた奇妙なこぶ(bump)のことですが、この文の作りは、思い出してみると中学校で習う英語構文の最高峰というところです。
    ここまで来たら、あとはボキャブラリーを増やしたり、長い文に慣れたりというレベルです。

     

    今年の「ラジオ英会話」が始まってまだ2ヶ月半。
    春から夏にかかるこの時期に、すでにこういった文を「音読・暗唱」ですらすら言えるように練習しておけば、その後の高校の授業とか大学受験の英語など、全然怖くないと思います。

    だからぜひ、中高生の方は時間を見つけて「ラジオ英会話」を毎日聴くといいと思います。


    それはさておき、今日のキーセンテンスの延長で出てきた
     Consider it done.

    これは私も初めて見る表現で、今日覚えました。(^o^)


    ここでの訳は「お安いご用です!」ですが、これも目的語説明型。
    ただし命令文なので主語がない、「(S) V O C」の形ですね。

    何かの用事(案件・仕事)を指す it(それ)について、
     「it = 為された(done)」とみなして(consider)ください。
    つまり、「もうできたと思ってくれていいですよ」という意味になります。

    それで、「お安いご用」「任せてください」という日本語、あるいは
    「大船(おおぶね)に乗ったつもりで」のような場合にも使えますね。


    たった3語ですから、100回とは言わず10回でも20回でも
     Consider it done. Consider it done. Consider it done.・・・
    と実際に口を動かせば、頭の中にすり込まれるでしょう。

    主語がないとどうも落ち着かない、という方は You をつけて
     You onsider it done. You consider it done. ・・・
    と、完全な平叙文で練習するといいと思います。


    大西先生もラジオでよくおっしゃっていますが、英会話は反射的に口に出せるフレーズをどれだけたくさん持っているかが勝負。

    テキストには、ダイアログでも GRAMMAR IN ACTION でも長い文、短い文といろいろありますが、3語とか4語といった、短くても完全な文だけでも口ぐせにしてしまうまで繰り返すというのは、かなり効率的で効果がある練習だと想います。
     

    その時に1つ大事なのは、いきなり繰り返すのではなく、ラジオで説明を聞いて十分納得してから繰り返すことだと思います。そうすると、こんな短い文でも応用がきくようになります。

    最初の1〜2回は、「it と done がイコールで・・・」という感じで意識しながらゆっくり。それから後は Consider it done. Consider it done.・・・
    とひたすら繰り返す、という感じがいいですね。
     

    毎日聴いているけれど、練習する時間が十分とれなくて、これでどれだけ身についたのだろう・・・と不完全燃焼を感じるくらいなら、見なくても繰り返せるくらいの短い文だけでも徹底的に繰り返してみると、思った以上に実戦で強力な武器になりますよ。

    軽いタッチの英会話 ---let、just---

    NHK「ラジオ英会話」 LESSON51は「使役の let」でした。

    ポイントは、letは「とても軽いタッチ」の「許す」
    大きな力がはたらく make との違いは使役動詞の最初に習いますが、今日なるほどな、と思ったのは、

     Let me know if you need help.
     (手助けが必要なら教えてね。)

    の Let me knowのニュアンスです。
    これは Tell me とも言えるところですが、

     ■ Let me know は、「知っている仲間にはいることを許してください」という印象、ということ。

    let は「なごみ系」なのかな?とも思いますが、軽いタッチといえば、今日のレッスンにも出てきたのが、Let's 〜 と Shall we 〜? の違いもそうですね。
    (Shall we〜? は、大西先生によれば、「温かい、相手の手を優しく取るような質感」があるのだそうです。)


    さて、私はこれまで、英語のインプット元が仕事を通じてであったり、ニュースの英語が多かったりという経歴があるせいか、自分の英語が堅いという自覚があります。

    1つには、「書くように話していれば変な英語は使わなくて済む」と思っていることがあり、今「ラジオ英会話」を聴いているのも、「話す」ことを意識した英語のトレーニングというのが1つの理由です。


    そんな私が今日ピンときたダイアログの1つの文が、

     You can just use the SuperEats app on your phone.
     (ただスマホでスーパーイーツのアプリを使えばいいの。)

    です。
    注目したのは、just の使い方。

    「ただ〜すればいい」というと、All you need is 〜とか、All you have to do is 〜などが浮かんでしまう私には、この just の軽さがとても気に入りました。

    この just は only(〜だけ、〜に過ぎない)の意味ですが、軽いだけあって口語での使い方のようです。

    LDCE(Longman Dictionary of Contemporary English)でも

    「justはくだけた(informal)表現なので、書く英語では simply が好んで使われる」

    とありました。
     It’s simply a question of priorities.(それは優先順位のk問題だ。)
    という具合です。


    ついでにもう1つ、justの使い方について、ロングマンでは

    1.文の主となる動詞の前に置く
    2.最初の助動詞の後に置く

    と書いてありました。先ほどの
     You can just use the SuperEats app on your phone.
    もまさに2のパターンですね。

    ご参考までに。

    「いないことにされる私たち」(青木美希)を読んで【2/2】

    前半【1/2】はこちらです。)


    「『お父さんがいなくてさびしい』って言ってました」

    長男が自殺した後、父親は本人が生前友人にこう言っていたことを知りました。
    自分譲りで絵が好きで中学の美術部に入り、部活でもクラスでも人気者で、よく自宅に友人を連れてきてゲームを楽しんでいる・・・それが生前見ていた長男の姿でした。


    単身で南相馬に戻る考えをを初めて話した時に、他の3人の子供と口を揃えて反対した以外は、ふだんの生活でも不満をほとんど口にしたことがなかった。

    実は、ずっと1人で子供たちを身の回りの世話から支えてきた自分に、よけいな負担をかけたくなくて黙っていたのではないか。自分が家族から離れずに一緒にいたら長男は死なずにすんだのではないか・・・

    自責の念にかられる父親の苦難の日々が始まります。
    直後にうつ病と診断され、自殺を図って警察に保護されることも。
    そして約8ヶ月後に離婚。妻も子供の自殺のショックでPTSDに苦しむようになっていました。


    南相馬の実母の家で一人暮らしを始めたものの、また自殺未遂。
    要介護2で北海道のホームに入居していた高齢の実母が見かねて戻らざるを得なくなり、二人で介護し合うような生活になりました。


    おそらく、著者の青木さんが「中学生の避難先での自殺」という事件にたまたま関心を抱き、取材を通じた父親への支援(医療施設の紹介、彼について書いた新聞連載への読者の反響を伝えるなど)をしていなかったら、その後も何度かあった自殺未遂が未遂でなくなった可能性は高かっただろうと、この本を読んでいたら誰でも思うでしょう。


    幸い(出版の時点では)、父親の体調は最悪期を脱し、少なくとも「息子の元に行きたい」とは言わなくなっていましたが、通院は続いていて、半年か1年に1度は入院する生活とのことでした。

    ただし、その治療を支えてきた、避難指示地域の人々への医療費免除を政府が打ち切るという方針が出されたことを知った時は、激しく動揺したそうです。「自力で生活再建している人がいる一方で、一部の人だけへの支援は公平性を欠く」というのが政府の言う理由です。

    「バランスを見て、人の命が失われるという状況にならないようにお願いします」

    これは、医療費免除継続を復興庁に要望した時の、被災者支援団体の方の発言ですが、そのとおりだと思います。


    7万人の避難者のうち4万人しかカウントされない問題と同じように、政府には被災者全体の実態を調査するなど、自ら知ろうとする姿勢が見えません。

    公平性の名の下に支援を次々と打ち切ることで、避難者は経済的、精神的、肉体的に追い詰められていく一方で、制度が縮小されることで政府の(とくに現場の担当者の)問題意識は年を追うごとに希薄になってしまいます。


    今、コロナ禍でのオリンピックの開催の是非が問われていますが、「復興」という明るい話題と結びつける一面もかなり目立ちます。一方、避難者のこうした実態が報じられることはこれからさらに少なくなりそうです。

    また、これはこの父親だけに起こっていることではなく、同じような苦しみを味わっている人がたくさんいることが数字の上でも示されていて、問題の根深さを知ることができました。


    この本の本当の問題意識は、当然原発再稼働の議論と関わります。ここではそれについては何も書きませんでしたが、こうしたことを置き去りにしたまま進めることがあってはならないと、強く思いました。


    2回にわたる長文で、ネタバレ?と感じられたかもしれませんが、とんでもない。考えさせられることが次々と出てきます。
    特に後半の、父親が心身ともに苦しんで極限まで追い詰められる様子は息もつけないほどで、一気に読み終わりました。


    ご興味があれば、ぜひ読んでみることをおすすめします。